試験結果の概要

 日本ソーシャルワークセンターより発表された、第1回 こども家庭ソーシャルワーカー資格認定試験の結果は、下記のとおりでした。

・合格基準点:39点(約60.9%)

・合格率:90.0%

 合格基準点の補正はありませんでしたが、第1回試験ということもあり、合格率も非常に高くなりました。

 合格率の高さに関しては、長時間の研修と実務経験を考慮したうえで、こども家庭支援にとって基礎的な内容が出題されていたことが窺えます。

 また、この資格自体が、国の方針に沿う形で創設された資格ですので、今後の資格取得者数増加への期待感もあり、受講費用や時間支出に見合った合格率として設定されたものと思われます。

 しかしながら、他の資格では、第1回の合格率だけが、飛び抜けて高いケースもありますし、今後養成施設コースについても検討することとなっているようですので、第2回以降の受験者の方は、簡単な試験であると気を抜かずに取り組んでいただければと思います。

講評

 科目別に講評を記載しております。

 「こども家庭福祉」の科目では、用語の意味や、法令上の定義、サービスの対象者について問う問題と、統計・制度の歴史について問う問題が主に出題されました。初見の用語もあったかもしれませんが、すでに知っている内容と矛盾がある選択肢を除外することで、正解にたどりつけるような問題設計となっていました。
 「関連知識」の科目では、こども家庭支援を行う上で、持っておきたい基礎的な知識が問われました。少年非行に関する出題がやや多く、また制度上の手続の流れを問う問題や制度上の対象者を問う問題が多い傾向でした。やや細かい部分まで問われる出題が多かったと思われます。
 「ソーシャルワーク」の科目では、ソーシャルワークに関連する用語の意味を問う問題が中心でした。事例問題は3題出題されましたが、どの段階における何を意図した関わりなのかを意識して読むことで、正解にたどり着くように設計されていました。やや細かい内容の出題もありましたが、社会福祉士国家試験、精神保健福祉士国家試験の、ソーシャルワーク関連科目相当の難易度と思われます。
 「こども家庭ソーシャルワーク」科目では、虐待対応の具体的な流れや、さまざまな支援技法、組織マネジメントなどについて問われました。事例問題は4題のみの出題でしたが、消去法で解ける問題や、他の出題で関連する事項が取り扱われているものも多かったので、難易度としてはやや易しいと考えられます。虐待対応については「児童相談所運営指針」「子ども虐待対応の手引き」などより、対応の流れや手続きに必要な要件などを把握しておくことが必要です。

試験問題解説

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